離婚弁護士のコラム
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離婚コラム

婚姻費用分担請求された場合,減額できる?

前回に引き続き,婚姻費用について考えていきましょう。
前回の記事はこちら

【事例②】

C男さんはD子さんと結婚し,一緒に暮らし始めました。
C男さんは,会社に勤務するサラリーマンです。結婚した際,夫婦間の話し合いにより,D子さんは専業主婦をすることにしました。

結婚して5年後,D子さんが男性といわゆる不倫関係にあることが判明しました。C男さんがD子さんを問い詰めると,D子さんは,あなたに魅力がないから,と開き直り,さらには自宅を一方的に出て行ってしまいました。数日後,D子さんから連絡があり,生活費を支払うよう求めてきました。

C男さんはD子さんに生活費を支払わなければならないのでしょうか。

 

このような事例の場合,D子さんの生活費全額を支払う義務はないとして,一定の減額がされる可能性があります。

有責行為と婚姻費用

今回のように,配偶者が不貞等のいわゆる有責行為を行い,一方的に出て行った場合にまで,夫(妻)は婚姻費用を負担しなければならないでしょうか。

今回のように婚姻費用の権利者に別居の主たる責任がある場合,その権利者の生活費相当部分については,分担義務が減額又は免除されるべき,という考え方があります。家庭裁判所における審判例の中にも,不貞をした妻からの婚姻費用分担請求について,権利濫用として認めなかったものがあります。
一方,学者の中には,婚姻費用分担義務は,婚姻破綻の責任や協力の有無とは無関係であり,自らが要扶養状態にあれば,婚姻費用分担請求ができると考えている人もいます。審判例の中にも,有責な権利者が婚姻費用を請求してきた場合でも,義務者は生活保持義務を免れられないとして,分担義務の減額しか認めなかったものもあります。

家庭裁判所がいずれの考え方に立つにしても,夫婦の別居の原因によっては,義務者が支払うべき婚姻費用を減額する場合も多いといえます。
条文上も,婚姻費用の分担にあたり「一切の事情を考慮」するとされているのですから,こうした事情は十分考慮されるべきでしょう。

まとめ

今回の事例でいえば,

① D子さんの不倫を前提として,
② これを追及されたD子さんが一方的に出て行き,
③(D子さんの開きなおりを前提にすると)C男さんに別居についての責任はない

ことになります。

婚姻費用の算定にあたり,こうした事情は十分に考慮されるべきです。審判例からいっても,少なくとも一定の減額は認められる可能性がある,といえます。

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